2007年 04月 07日
ある短編映画を観て |
先日、La 2というチャンネルでやっているVERSION ESPAÑOLAという番組である短編映画を偶然観ました。
このVERSION ESPAÑOLAという番組は主にスペイン語圏の映画を放映すると同時に、実際に出演していた俳優さんたちがその映画についてコメントをし合うという、なかなかユニークな番組。
今回観た短編映画はこの番組のコンクールの出品作品の一つで、題名は"TE QUIERO MAL"(日本語にうまく訳せないのですが、「あなたをうまく愛せない」といった感じでしょうか)。
ストーリーを説明すると、主人公の女性は目が不自由だけれども一人で自立して生きている、ある合唱団の指揮者。
彼女はそれはそれは完璧主義者の女性。毎朝8時の目覚ましで起床し、シャワーを浴び、カフェオレを飲み、洋服を選び、そしてメイクをして出かけるのであるが、その一連の行動を自分自身で滞りなく進めるために、全ての物はいつも定位置を崩さずに配置し、洋服や靴にも音声装置が付けられているので、いつもコーディネートは完璧。白い杖を持っていなければ、目が不自由だということはわからないほど。
そんな彼女が指揮をする合唱団の団員の一人の男性、クリスチャンはどうやら彼女に思いを寄せている様子で、(おそらく彼女の気を引くためにわざと)発声練習の際にミスをしたり、合唱練習の際にも他の人より目立つ歌い方をするなどするが、耳のいい彼女にことごとく玉砕される。さらにタクシーを待つ彼女の手助けを申し出るが、なかなか取り合ってもらえない(が結果その申し出を受けてもらえる)。
そんなことを繰り返しながら、ある日合唱コンサートの打ち上げの夜、クリスチャンは静かに彼女を誘惑し始める。そしてその夜二人は関係を持ってしまう。
翌日、彼女はいつもの目覚ましに気付くことができなかった。彼女より先に目覚めたクリスチャンはシャワーを浴び、カフェオレを飲み、彼女のクローゼットで洋服などについた音声装置をいじり、そしてダイニングテーブルにバラの花を一輪置いて家を後にする、鍵の置き場所まで変えて。。。
全ての物の置き場所をめちゃくちゃにされて、その後目覚めた彼女はいつも通りに事を進めることができずに混乱する。バスルームのシャンプー、カフェオレを入れるためのカップ、冷蔵庫に入っているミルク、電子レンジのタイマー。。。。洋服のコンビネーションもメイクもめちゃくちゃ、挙げ句の果てにはダイニングテーブルに置いてあるバラの花のとげで指を切る始末。
そんな彼女のもとにクリスチャンからの電話。電話口では「クリスチャン、クリスチャン」と発信者の名前を告げる声。その電話を取るに取れないでいる彼女、という形で物語は終了する。
時間にしてわずか15分くらいのこの短編映画。映像は淡々と静かに流れていくが、一夜の過ちで(はないのかもしれないが)彼女の朝の始まりがめちゃくちゃになってしまい、そのことでいつもクールにしている彼女が動揺しまくる姿を見て、とても温かい気分になりました。
ハンディキャップの有る無しは、この際関係なく、全ての人(特に女性)に言えること、人に頼らず一人で何でもしようとする必要はないのだと。「人に頼らない=自立している」とは私は思いません。肩の力を抜いて、自分が自分らしくいられる、そんなパートナーの存在は本当に大切だと思わされる、そんな映画でした。
そうそう、こんな写真を撮っていました。
前回焼きたての食パンがバレンシアのパン屋さんにない、と書きましたが、写真のようにカットされていない食パンをみつけるのも本当に難しいんですよ。前にスペイン人の友達に「どうしてバレンシアのパン屋さんには食パンが売っていないの?」と聞いたところ「売ってるところ知ってるから行ってみたら?」と言われ、見つけたのがこちら。
もちろんスーパーで売っている食パンより断然おいしい!カットしても耳がパリパリしていて中はふわふわ。
でもやっぱり焼きたてが食べたい!あの焼きたての食パンの香りが恋しい!
このVERSION ESPAÑOLAという番組は主にスペイン語圏の映画を放映すると同時に、実際に出演していた俳優さんたちがその映画についてコメントをし合うという、なかなかユニークな番組。
今回観た短編映画はこの番組のコンクールの出品作品の一つで、題名は"TE QUIERO MAL"(日本語にうまく訳せないのですが、「あなたをうまく愛せない」といった感じでしょうか)。
ストーリーを説明すると、主人公の女性は目が不自由だけれども一人で自立して生きている、ある合唱団の指揮者。
彼女はそれはそれは完璧主義者の女性。毎朝8時の目覚ましで起床し、シャワーを浴び、カフェオレを飲み、洋服を選び、そしてメイクをして出かけるのであるが、その一連の行動を自分自身で滞りなく進めるために、全ての物はいつも定位置を崩さずに配置し、洋服や靴にも音声装置が付けられているので、いつもコーディネートは完璧。白い杖を持っていなければ、目が不自由だということはわからないほど。
そんな彼女が指揮をする合唱団の団員の一人の男性、クリスチャンはどうやら彼女に思いを寄せている様子で、(おそらく彼女の気を引くためにわざと)発声練習の際にミスをしたり、合唱練習の際にも他の人より目立つ歌い方をするなどするが、耳のいい彼女にことごとく玉砕される。さらにタクシーを待つ彼女の手助けを申し出るが、なかなか取り合ってもらえない(が結果その申し出を受けてもらえる)。
そんなことを繰り返しながら、ある日合唱コンサートの打ち上げの夜、クリスチャンは静かに彼女を誘惑し始める。そしてその夜二人は関係を持ってしまう。
翌日、彼女はいつもの目覚ましに気付くことができなかった。彼女より先に目覚めたクリスチャンはシャワーを浴び、カフェオレを飲み、彼女のクローゼットで洋服などについた音声装置をいじり、そしてダイニングテーブルにバラの花を一輪置いて家を後にする、鍵の置き場所まで変えて。。。
全ての物の置き場所をめちゃくちゃにされて、その後目覚めた彼女はいつも通りに事を進めることができずに混乱する。バスルームのシャンプー、カフェオレを入れるためのカップ、冷蔵庫に入っているミルク、電子レンジのタイマー。。。。洋服のコンビネーションもメイクもめちゃくちゃ、挙げ句の果てにはダイニングテーブルに置いてあるバラの花のとげで指を切る始末。
そんな彼女のもとにクリスチャンからの電話。電話口では「クリスチャン、クリスチャン」と発信者の名前を告げる声。その電話を取るに取れないでいる彼女、という形で物語は終了する。
時間にしてわずか15分くらいのこの短編映画。映像は淡々と静かに流れていくが、一夜の過ちで(はないのかもしれないが)彼女の朝の始まりがめちゃくちゃになってしまい、そのことでいつもクールにしている彼女が動揺しまくる姿を見て、とても温かい気分になりました。
ハンディキャップの有る無しは、この際関係なく、全ての人(特に女性)に言えること、人に頼らず一人で何でもしようとする必要はないのだと。「人に頼らない=自立している」とは私は思いません。肩の力を抜いて、自分が自分らしくいられる、そんなパートナーの存在は本当に大切だと思わされる、そんな映画でした。
そうそう、こんな写真を撮っていました。
前回焼きたての食パンがバレンシアのパン屋さんにない、と書きましたが、写真のようにカットされていない食パンをみつけるのも本当に難しいんですよ。前にスペイン人の友達に「どうしてバレンシアのパン屋さんには食パンが売っていないの?」と聞いたところ「売ってるところ知ってるから行ってみたら?」と言われ、見つけたのがこちら。
もちろんスーパーで売っている食パンより断然おいしい!カットしても耳がパリパリしていて中はふわふわ。
でもやっぱり焼きたてが食べたい!あの焼きたての食パンの香りが恋しい!
by momo8175
| 2007-04-07 01:22
| 映画